さて、それでは例によって構成部品の紹介といこう。今回のテーマは「飛距離よりも狙い澄ましたピンポイントキャストと、切れ味鋭い閃光のようなフッキングを目的とした竿」だ。それに沿うように色々と思考を張り巡らせている。

ピンポイントキャストについては特記事項はない。短い方がコントロールをつけやすいのはご理解頂けるだろう。フッキングに関しては短い竿だとストロークが確保できないのでロングロッドより条件は悪くなるが、これもご理解頂けると思う。

あと、近頃どうも腰の具合が良くない。老化現象が始まりつつあるのだろう。筋肉痛は翌日に襲ってくるのがまだ救いなのだが・・・。だから、竿を寝かせてバットエンドを腹に当て、体全体で思いっきりあおるような普通のアワセをくれてやると、かなり腰の具合が悪くなってしまう。なので最近は、あらかじめバットエンドを脇に構えておき、糸フケを少なくするような意識でカエルを動かしている。そして、魚が喰ってきたらそのままバットエンドを脇差しして、フロントグリップを左手で握り体全体を左側に回転させてフッキングしている。この方がまだ楽で、糸フケもあまり出さないので普通のフッキングよりもかなりの早合わせになる。(右ハンドルなら右手で握って右回転ね)

バス釣りの世界では「電撃フッキング」と称するアワセがあるようだが、管理人はこれを「雷撃フッキング」と呼んで自己満足している(魚雷攻撃の雷撃に、ライギョのライをかけています)。スッポ抜けやバラシは多いが、飲み込まれて口腔内に針が刺さり外すのに苦労するようなシチュエーションは減少しており、ダメージをできるだけ与えないようにする意味合いもある(意図的に遅らせてカエル?を口にくわえている姿を撮影することもあるが・・・)。

とにかく最近の課題は「サイズや数じゃなくてダメージ減少」、これに尽きるのだ。あと、腰痛へのダメージ減少も(涙)。ちょっと長くなったが、この脇差しスタイル・雷撃フッキングに対応させるべく頭をひねってみた。

 

ブランクは先ほど紹介したSt.Croixのソルト用コンポジットブランク・2SWC66MFだ。カーボン・グラスコンポジット材に、さらにバットセクションにメッシュカーボンで補強を入れている。肉厚も結構あるので、かなりムチャクチャしないと折れそうにないブランクではある。ただ、そのままだとティップがちょっと軟らかいので長さを若干詰めて硬くしている。コンポジットだからね。やはり先行き怪しそうである。

2SWC66MF メッシュカーボン部
先の2ピースブランクよりも相当ゴツい。メッシュカーボン部は研磨していないので段差になっているが・・・

ガイドはちょっとヒネっている。かといってオーバーパワーのブランクでガイドの数を減らす「変態ガイドコンセプト」ではない。コンポジットだからどちらかといえば曲がるブランクなので数は減らせない。でも、「2ピース・カムルチィ」のようなコンベンショナルなガイドレイアウトではく、グラスコンポジットと雷撃フッキングを念頭に置いたレイアウトだ。

ガイド配列
アルコナイトじゃなくてSiCだが、よく見たらなんか怪しい組み合わせやぞ、これって

まず、トップセクションから。トップはFST10で次の4コはLNSG10だ。リング径はともかくとしてガイドそのものはバスロッド用の軽量ガイドである。強度的に負荷の掛かるライギョ竿は2ピースでも採用したMNST&MNSGのコンビネーションが無難だが、硬いとはいえグラスコンポジットなのでそれなりに曲がってくれる。だから「グラスロッドには軽量かつフレキシブルなチタンフレームが適していると思う」的な発想に至るのだが、その剛性の無さから「管理人はライギョ竿にはチタンフレームは採用しない」ので、軽量ステンレスフレームを使うという結論に落ち着いた。やはり適材適所、要求性能によって選択すべきだろう。ちなみにFST10のパイプ径はありえんと思うが、なんと4.0mm!こんなサイズも存在するのだ。だが、本当は最大パイプ径の4.5mmが欲しかったが、さすがの国内最高の品揃えを誇るマタギですら4.5mmは見あたらずに断念、管理人の発想には付き合いきれんらしい・・・。

次のガイドは普通のMNSG12なのでいいだろう。バットセクションはLCSG20とハイスピンダー・HVSG16Lの組み合わせを使う。フロントグリップにできるだけ干渉しないということを優先してフレームの高いガイド選択したのだが、バットガイドにHVSG20を採用しなかったのは「シャドウライズ」と同じみたいでイヤだったから。超ヘビーカバー竿みたくバットから2番目がLCSG16Mでないのは、ローライダーガイドってスレッド巻きする長さが長いので短い竿には不釣り合いに思えたから。

高さの比較
こうしてみるとそれぞれの高さがよくわかるだろう

次はリールシート。新定番TCS18を使う。TCS18だとロングナットが入手できるので、ついでに採用してみる。ブランクが太いのでTCS17は使えない。で、本気でトリガーを廃止する。ピッチング等、近距離での右手の自在なグリップワークを優先するとやはり「トリガーいらんぞ」の「ネオ変態グリッピングコンセプト」となる。

TCS18ロングナット
フードカラーはガンスモークだ

あとはグリップ材。この竿の肝心な部分だが、コルクとEVAのコンポジット?にする。たまにはコルクで作ろうと思ったが、コルクの方がEVAより表面が硬い。脇差しした場合には軟らかい方がいいなと思ったので、握る部分はコルクで、それ以外の部分をEVAを使う。コルクのセパレートハンドルで、中間部分をブランクむき出しではなくてEVAで被覆していると思って頂ければいい。長さは管理人の体格に合わそう。ちなみに身長180cmと日本人の平均より少し高い。フロントもコルクを使うが、雷撃フッキングの時に手を伸ばしたら自然に握れるような感じで、と考えている。

コルクとEVA
コルクは内径を削らないといけないのでめんどくさいが・・・
でも、見た目はやっぱりコルクがいい!

今回は可変バランサーの採用は考えていない。竿が短いからブランクが多少重くてもどうでもいいと思った。だからFujiのバットキャップBRC22をそのまま使う。もし、使っていてバランサーが必要だと感じたら、その時に後付けしよう。その場合は鉛バランサーをバージョン3に進化させる。市販竿への後付けも考慮に入れ、なおかつ特殊な道具無しで誰でもできる、いや、それができたらいいのにな!という希望だけだが。

BRC22
右のキャップを使う。左は例のグラファイトギンバル&キャップだ

スレッドは2ピースみたいな制約がないので色は増やす。そしてAスレッドをアンダーラップで、Dスレッドでガイド巻きのダブルラップにする。ただ、レイアウトの都合でソルトロッドの様な飾り巻きスペースはないのでそこまでは実施しない。配色はどう考えてもライギョ竿とは思えない様な色づかいを予定している。メチャクチャうさんくさそうな色合いだ。これは次回まで隠しておこう。あと、制約がないので今回はネーム入れを実施する。名前はもちろん「秋水・蛇頭殺」だ。久しぶりに「蛇頭殺」ブランドを復活させる。近頃は某王国でも「蛇頭殺」が活躍しているらしい、と風の便りで聞いたことがあるのだが・・・

とにかく今回は「2ピース・カムルチィ」みたいな制約がない。鎖を解き放たれた野獣の真価を発揮するだろう(ってウチは人間やけどね)。

次回、燃料満タンで迎撃準備!秋水・ビルド編へ!!(2006/5/7更新)

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