それでは、ロッドビルドの第2弾、「秋水・蛇頭殺」のビルドといこう。ビルド作業については先にアップした「2ピース・カムルチィ」や、例のPDFも参考にしていただければと思っている。なので、2ピースと重複する箇所はあまり紹介しないがご容赦いただきたい。

今回の竿は完全1ピースなので、順番としてはまずスパインを出す必要がある。その後グリップ部の取り付けを行うが、この時に割り出したスパイン位置にリールシートを取り付けなければならない。

脇差しグリップ
今回もグリップの作成工程を撮影し忘れてしまっている。次は紹介するからね

なんやこれ?それこそ本当に見たこともないグリップだろう。こんな変なのは管理人しか思いつかないはずだから。

特記事項その1、まずはフロントグリップ。脇差しでフッキングしようとした時には従来のフロントグリップ位置だと手前過ぎるのだ。左手でフロントを握ろうとして無意識に左手を伸ばしたらこの位置になってしまった。これはヒトによって異なるだろう。あと、無理やりのこじつけだが、テコの原理を考えれば力点はできればティップ側のほうがいい、というような考え方もある。実際には体を左回転させるのだからどうでもいい気がするが。形状的にはターポンやマーリン用フライロッドのファイティンググリップかな?あえて名前を付けるなら「変態フロントグリップ」、いや、「セパレートフロントグリップ」にしておこう?

特記事項その2、リールシート。ようやくライギョ竿に本気でトリガーレスを採用する。トリガーレスについては色々とコメントを残しているのでここでは省略。また、セパレートフロントグリップのおかげで無加工でソルティガZが取り付けできる。副次的メリットといえよう。

特記事項その3、コンポジットリアグリップ。これは「秋水・始動編」で述べている。今回は黒EVAを採用したがよく考えてみると、ホームセンターで売っているパイプ状のスポンジにしたほうがよかったかな?と思った。その方が柔らかいし。

ちなみに取り付け順番は後ろからなので、バットキャップ、後ろのコルク、真ん中のEVA、前のコルク、リールシート、フロントグリップの順だ。

グリップが決まればティップを切断する。

切断中 切断後
長さは適当、野性の勘で切っていった

ブランクを切断する際はノコギリではなくてヤスリの方がいいだろう。ノコギリだと目が粗いので切れる寸前に繊維がノコの目に引っかかって剥離してしまうから。まあ、ヤスリでも引っかかることは引っかかるので、切断後は瞬間接着剤か何かで剥離しかかっている繊維を接着しておこう。一応今回は10cmほど、約4inch切断している。本当は徐々に切りつめて曲げて確認してみるのがもちろん正解だ。

ティップが決まればトップガイドをスパイン位置に取り付け、接着が完了したらガイド位置を決定する。今回はクソ真面目にベンディングテストして決定している。初代コンポジットロッド・「カムルチィ70」のデータがアテにならないので・・・

ベンディングテスト
やはりコンポジットなので、それなりに曲がってくれる

ベンディングテストの際は強力マスキングテープでガイドを仮止めして行う。ある程度曲げても糸がブランクに当たらないようなガイド位置を決めてやろう。ちなみにガイドの足に両面テープを貼った方がいい。今回はそれを怠ったのでブランクにガイド足の痕がついてしまっている、あぁ・・・。あと、ガイド数は予定より1コ増やし、MNSG16を追加した。

で、今回のガイド位置はこんなの

ガイド位置
細かいことはよくわからないが、こんなものだろう・・・

ガイド位置が決まったら「2ピース・カムルチィ」同様、アンダーラップを施す。「秋水・始動編」で紹介しなかった色だが、アンダーラップはピンクでダブルは紫だ。モーホーとでもいうか、とにかく変態の息使いが聞こえてきそうな色使い。なんか「アドン」や「薔薇族」にでも出てきそうな感じだ。

アンダーラップ
手抜き丸出しがばれることだろう

結構スキマがあいているなぁ。でも大丈夫!こんなのがあるから。

バニッシングツール
塩ビ製の棒、バニッシングツールという

これをどう使うかというと、

こすって
スキマを埋めるように横方向にコスってやる

ほんなら、この通り!

スキマうめ完了
う〜ん、キレイやねぇコイツを使えば結構手が抜けるのだ

さあ、アンダーラップが終わったらコーティングといこう。やり方は「2ピース・カムルチィ」を参考に。ここでは「泡消しアイテム」を紹介する。

バブルバスター
バブルバスターというお名前

アルコールランプなのだが、ノズルがついており、泡を狙って炎を噴射することもできる。これ、エチルアルコールを使おう。間違えてもメチルアルコールなんか使わないようにね。「水・メタノール噴射」っていうのも60年ほど前にはあったが・・・

使い方
暗くてわからんのだが、明るくしたらアルコールの炎が見えなくなる

本体を軽く圧縮してやると炎が噴射するので、泡の部分の上あたりを狙ってやる。すると熱で泡が消える。コーティング剤に直接噴射するのはやめた方がいい。どうなっても知らないから。あと、コルクの近くも注意しよう。燃えるよ、マジで。まぁ、100円ライターやドライヤーでも熱を加えればいいのでOK、別に問題ないと思う。エポキシ落としのエタノールがあるのでついでに使っている、ピンスポット狙いならというのが正直なところだろう。

次はネーム入れを紹介するからね、それではお楽しみに!(2006/6/3更新)

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