野性の勘でビルドの前に・・・

念願の2ピースブランクが到着した。結局St.Croixのマスキーブランク、2M70MHF2を選択したのだが、これで正解だった。ブランク単体で曲げてみた感じではGoodと断言できる。通常のカバーを攻めるのには充分な硬さだと感じる。 2M70HF2だとハッキリ言って硬いだろう。ヘビーカバー用2ピースなんてのもいいかもしれないが・・・

ビルド編の前に準備することがある。ブランク以外の部品の調達だ。今回の2ピースロッドは、管理人の自己満足や独りよがりで作るのではないので 、超ヘビーカバー用GTロッド改のような「変態コンセプト」ではなく、「今回はできるだけコストを削ってみる」 ことを主眼として行いたい。

できるだけ誰でもできるようにと考えたのだが、さてどうなることやら。
それでは部品を紹介する。

まずはブランク、St.Croixの2M70MHF2。手元にあるG-Loomisのマスキーブランク、MU844GL2よりもハードなブランクだ。天雷ロッドと変わらないのではなかろうか?オールラウンダーとして使えそうな感じではある。MU844はだいぶ腰が抜けているだけかも知れない。センクロの一番安いグレードと言うこともあってあまり期待はしていなかったが、見た目もブラックパール仕上げのブランクで、「意外といけてるやん」って思ってしまう。ちなみにセンクロって表面仕上げに関してはコロコロ変わるような気がする。一応サテンブラック仕上げのはずっだったが・・・まあいいや。

2M70MHF2
この画像ではブラックパール仕上げは分かりませんね

リールシートは軽量ライギョ竿の定番?TCS17を使う。一般的にはロングナットは手に入らないので標準仕様、フードの色も標準だ。ライギョに使う場合、TCS16だと短くて締めにくい為ロングナットは必需品だが、TCS17は長さに余裕があるので必要ないと思う。Fujiのシートならキッチリ締めさえすれば弛むこともないからダブルナットも不要だ。でも弛みのチェックは忘れずにね。トリガーに関して言うと、今回はトリガーレスの「ネオ変態グリッピングコンセプト」は却下。自己満足じゃないから。ただ、高さを半分くらいにするつもりだ。

TCS17D
ごくフツーのTCS17トリガーシート

ガイドも「変態ガイドコンセプト」は却下する。実は、ロッドビルドでブランクの次にコストがかかるのがこのガイドなのだ。PEラインを使うライギョ竿だと、基本性能を確保する以上はどうしてもSiCを選択せざるを得ない。これがナイロンラインなら迷わずハードリングだ。ガイドを安くする方法としては、リング径を小さくする、数を減らす、あとはFujiガイドセットを採用することが挙げられる。ガイドセットなら、スーパーオーシャン・MNSGがトップガイドを含めて9個入ってるCMNSG2091というセットが税込み¥4,515だ。量販店なら2割引してくれるだろう。とてもバラ買いでは実現できない値段だ。しかし、残念なことに最小リング径が8なので定番アイテム・ハワイアンフックが通せない。ハワイアンフックを使うなら最小リング径は10にする必要がある、ということでバラ買いになってしまった。ガイド数はトップを含めて8個。7フィートだからこれで充分だと思う。しかし、ガイドでコストを削れないのは正直言って痛いなぁ。(MNSG8ではなくNSG8やSVSG8なら無理矢理ハワイアンフックを通すことは可能なので、昔のガイドセットNSG2091でトップだけPST10を別買いしたこともあったのだが・・・)

MNSG
大きい方からMNSG20、MNSG16、MNSG12、MNSG10が4個、MNST10、色はもちろんガンスモークだ

グリップは一般的にはコルクとEVAが使われているが、コルクは高いので文句なしにEVAで決まり。ちなみにコルクはポルトガルのコルク樫がいいらしい。リアグリップの長さはだいたい30cm程度にはなると思う。バスロッドだとフロントグリップは短い若しくは無いのがトレンドだが、ライギョ竿ではフロントグリップを握ってのやりとりがあるので必要な長さを確保しなければならない。すると市販のEVAだとフロント・リアの長さを1本では確保できないか、できたとしても高くつく。普通は管理人みたく端切れのEVAなんてあるわけないし、2本買うことになった。ただ、丸々2本買うわけではなく、フロント用にシェイプドEVAなる加工済み品を購入した。これでも丸々2本買うより安いからね。今回は旋盤を使わないし。

EVA
上がリアグリップ用、下はマタギのフロント用波形シェイプドEVA

あとはエンドキャップ。超ヘビーカバー編でも述べたが、Fujiのギンバルとギンバルキャップを使って、これにバランサー機能を持たせる。頭の中では図面は作成済みだ。キャップが丸いのでファイト中でも股間に優しくいい感じ。サイズはGC25ではなく小さい方のGC22だ。

ガイドを固定したり飾り巻きに使ったりする糸(スレッド)は黒色とメタリック系の2色だけを使う。ここでもコスト削減だ。何色も使えば飾り巻きの効果も増すが、2色だけだとハッキリ言って厳しい。スレッドの太さは細いAスレッドだ。ライギョ竿なら太いCスレッドやDスレッドを使ってもおかしくはないし、実際にGTロッド改ではDスレッドを使っている。本当のことを言うと、市販竿や一般的なカスタムビルドロッドはスレッド巻きがゆるいように思えるのだ。あとで解説するが、ナイロンの1号や2号でスレッドが抜ける程度の巻きなんか絶対ゆるすぎるって。だからガイドがズレたり浮いてしまう。Aスレッドでもきつく巻き、さらに巻き回数を増やせば充分事足りる。ちなみにAでもCでもDでも値段は変わらない。乳とは大違いやね、若者たち!(笑)

一応、構成部品を仮組みしてみた。

仮組み

リアグリップは切るので長さはともかくとして、これはこれでプレーンな感じがしていいのかも知れない。安っぽいけどね。流行のメタルパーツや、コテコテの飾り巻きを一切使わずにどこまでカッコよく仕上げることができるのか、相変わらずの実験だ。決してコテコテのカスタムビルドロッドを否定するものではないが、こんなのもアリだろう。お使うのはお金ではなく、頭を使えと!

最後にかかったコストを明確にしたいと思う。ただ、ビルダーだからスレッドなどの在庫が結構あるので・・・

次回こそ、野性の勘でビルド編ぞ!(2006/2/19更新)

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注・以下は追加情報です

現代のライギョ竿とすれば、この7フィートという長さは短いですね。2ピースでロングロッドが実現できないものかという意見(だれも言ってないって)について更なる調査を行ったところ、8フィートの2ピースで使えそうなブランクが見つかりました。先に挙げたブランクと比較できるように追記します。

メーカー
種類
型番
長さ
ライン
ルアー
アクション
テーパー
バット径
ティップ径
重さ
値段
St.Croix
マスキーロッド
2M70MHF2
7フィート
20〜50lbs
3/4〜3oz
MH
Fast
0.6
8
3.7
$90.00
St.Croix
マスキーロッド
2M70HF2
7フィート
30〜65lbs
2〜6oz
H
Fast
0.655
11
4.3
$95.00
Cabela's
マスキーロッド
GMU704
7フィート
10〜20lbs
3/8〜2-1/4oz
MH
Mod
0.555
6.5
-
$39.99
St.Croix
サーモン・スチールヘッド
2C80HF2
8フィート
15〜40lbs
3/4〜3oz
H
Fast
0.750
7.0
4.8
$105.00
Rainshadow
ソルトウォーター
SW967F
8フィート
15〜25lbs
3/4〜4oz
MH
Mod-Fast
0.645
7.0
5.65
$57.89

注目したいのはRainshadowのブランクです。まず、価格がリーズナブル。管理人もRainshadowのブランクは2本持っていますが、そんなに悪くはありません。スペックでの判断ですが、中弾性カーボン(RX7グラファイトってクルマやないんやから・・・)でこの重さならラインクラスは低いですが使い物になると思います。ただ、日本国内では恐らく流通していないでしょう。2M70HF2と2C80HF2はマタギのカタログに記載されていますが、同じマスキーなのに今回の2M70MHF2は記載されていません。Googleで検索したら見事にこの通りでした。