今回、「オペレイション・リブート !」ということで本編を進めるのだが、リブートと聞いて思い浮かべるのはコンピュータの再起動だろうか? サブタイトルも「ユニバーサル・シリアル・バス」だし、ファイナルダムンでは時としてコンピュータ関連のコンテンツを紹介することもあったから、その通りと言っちゃぁその通り??
でも、管理人が意図しているのはそこではなくってこの娘なのだ・・・

E-1
作業の都合上、今回は基本形態の右ハンドル・・・

これならわかるだろう。世界初のコンピュータ制御ベイトリール、今は亡きリョービのセラテックレグノセンサーだね。管理人のこの娘は海外仕様だからレグノセンサーではなくってE-1だけど、中身は一緒、名前だけの違いなので気にしないでほしい。それじゃぁ、レグノセンサーのリブート作戦、始めるよ。


レグノセンサーが電子制御の電源に充電式電池パックを採用しているのは過去に紹介しているし、その発想が電動工具メーカーとしてのリョービらしい、というのも管理人のアタマにはあった。だけど、電池パックによる電源供給方式の問題点も明らかになっており、

電源が供給されなければただの?クソ重いベイトリール・・・

2015年におけるレグノセンサーの最大の問題点がこの電源供給だね。30年近く前に製造されたリールもオールドリールというジャンルで現役として活躍しているこの時代だけど、レグノセンサーはこの点がネックになっており、製造より30年近くが経過した充電池が劣化していて電源供給ができない状況なのだ。

そしてもう一つ、古い電子制御デバイス全般に言えることとして、

電子制御デバイスそのものが経年劣化する・・・

リールを機械としてみた場合には正常だとしても、素子の劣化により正常動作しなくなることも充分にあり得るのだ。これは保管状況や使用頻度、元々の設計等色々な要素が複雑に影響を及ぼすので何とも言えないところではある。そして管理人のE-1は入手段階で充電器がないので電子制御が生きているのか死んでいるのか全くわからない状態、まれに電子音がしたこともあったからもしかすると生きているかも?レベルの状態なので、手始めに電池パックとは別の電源を用いて良否判断から始めることにする。

まず、30年近く前に製造された充電池、ということで、この時代にポピュラーだった充電池の種類はどんなのかをちょっと調べてみたけど、

小型のデバイスにはこの2種類のいずれかが充電池として用いられていたみたい。今のケータイやスマホみたくリチウムイオン電池じゃないのは当たり前、単3形の充電池もエネループじゃなくってカドニカだった頃のお話し、ってことだね。どっちの電池を採用しているかによって電源電圧が異なるのでそこを判別しないといけないワケだが、幸いにもレグノセンサーの電池パックはフタがネジ止めされていて分解できるようになっている。であれば、そそくさと分解して中身を確認すればいい。

電池パック
電池パックはネジ6本でフタが固定されている

ボタン電池その1 ボタン電池その2
刻印、見えへんよね・・・

えーっと、ボタン形の電池が4個内蔵されていて、その電池にはGSやGF-100という打刻が確認でき、これはメーカーや電池の型番であることが想像できる。であればググってあげると・・・

日本電池のニッケルカドミウム電池、GF-100を4個直列に接続!

なので、電源電圧は1.2V×4=4.8Vであることが判明したぞ。一応、例によってデータシートの抜粋を紹介しておこう。これをやらないとファイナルダムンじゃないから。

GF-100のデータシート
カドミウムたっぷり?

電源電圧の次はプラスマイナスの極性だ。当たり前だけど極性を逆にしてしまうと動くはずもなし、逆接防止、なんてのがあれば動かないだけで済むけどそんなものが内蔵されているとは思えず、高い確率で壊してしまうことが容易に想像できる。この極性については電池パックとリール本体が電気的にはDCプラグ/ジャックで接続される構造で、そのDCジャックのどちらに電池のプラスマイナス極が接続されているかを辿っていけばいい・・・

DCジャック
DCジャックの端子が3本、中央のセンターピンに赤の配線が接続されている

DCジャックのセンターピンがプラス極に接続されていた。そしてそのDCジャックやDCプラグには色々な規格があって大きさが多種多様だからこれも確定させないとダメ。ここは適当に測定して適当に確定してあげよう・・・

DCプラグ
リール本体側はDCプラグだ

外径3.4ミリ、ピン直径1.3ミリのDCプラグ/ジャックであれば使用可能だね。であれば、あとは極性を間違えずに4.8V程度の電圧を供給すればいいことになる。DCアダプターでもいいし、エネループを4本直列に接続してもいい。エネループはニッケル水素電池だから電圧はニッケルカドミウム電池と同様の1.2Vで互換性があって今回の用途であれば好都合だ。だが、管理人の今回の選択はそうじゃなくって、

世界初?ユニバーサル・シリアル・バス接続ベイトリール!

冗談みたいだけど本当のお話しなのだ。ただ、実のところレグノセンサーをパソコンにUSB接続してもUSBリールとしてデバイスマネージャに登録できるワケでもなく、単純にUSBポートには接続デバイスの駆動用電源として5.0Vが供給されており、それをレグノセンサー本体の電源として活用するだけなのだが、世界初、という表現が大好きな管理人、いつもの悪いクセが出ちゃったりする・・・

電源の仕様が確定すればそれに従って接続ケーブルやDCジャックを準備すればいい。今回、管理人が準備したのはこんなのだ。

ケーブル類
DCジャック〜USB変換は入手しにくいから気をつけてね・・・

単品でコネクタやDCジャック、ケーブルを買えば安くつくし、極性が反転していても簡単に手直しできるからそちらの方がいいと思う。今回は偶然にも極性が合致していたので市販品をそのまま使っている。

セットアップ
接続前に極性や電圧を確認するのは当たり前だけど、テストリードのショートには注意しよう

MacBookに接続
USBリール接続完了!

それではいよいよ世紀の一瞬、USBリールのリブートは果たして成功するのだろうか・・・

準備完了
リョービの竿がないので手持ちのダイワのグラスロッドで代用だ

まぁ、くちゃくちゃコメントを並べ立てるのは面倒だから動画で紹介するわ。 ただし、相変わらず動画系には疎いので、またもや拡張子には悩んでしまうのであった。今の世の中ならYouTubeのアカウントを取ってリンク貼るのが適当なのかなぁ・・・。そのあたりって管理人にはよくわからんから適当にFlashPlayerで再生できるようにはしておいた。ファイル容量はこれもよくわからんし、場合によってはスマホ等のデバイスやらブラウザ依存で見えへんと思うから、こっちのリンクに飛んでくれる?

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ボリューム大きくせんと動作音が聞こえんと思う
スマホ版は解像度が低くって肝心のマグインジケータが見えんなぁ・・・

マグブレーキのインジケータが要注目で、クラッチ操作と共に動作しているのを見てほしい。そして、4段階のプリセットダイヤルは最初が最大で途中から最小に、そして最後はスプールに巻いた糸を引っ張りだして制御の変化を試してみた。スプール回転開始後に最小だったインジケータが最大位置に移動して制動開始、それから最小位置に戻る、という動作をしているみたいだけどこのあたりは実際に投げてみるのと、その時にインジケータを常時モニタリングしないと何がどうなっているのかわからないと思う。

正常なのかどうかはともかくとして、まぁ、なんしか動作しているのは確認できたワケだ。ただ、さすがにUSBリールのままでサカナ釣りは無理に決まってるから、次はどうにかして電池パックを復活させることにする。最初にE-1を紹介した頃は「実は電子は大のニガ手なのだったりする。」などとコメントしていた管理人、サカナ釣りもしないで寝てばっかりで放置プレイ状態だったけど、その存在価値とも言えるエンジニアリング能力だけは欠かさず常に進化させていたんだよ。

ということで、管理人が得た新たなる力で次回の「オペレイション・リブート!」はバッテリパック編に続くのだ!(2015年4月18日更新)

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