偉大なる敗北者に対し、「敬礼!」

TD変態グリッピングレフト
またやってしまった、得意の衝動買いってヤツを・・・

「直れ!」
敬礼が済んだら、直って不動の姿勢に戻れなければならない。少なくとも管理人はそう聞いたぞ。

ミリタリーな冗談はさておき、ついに手を出してしまった、「TD変態グリッピングコンセプト」に。Sweet emotionの購入予定に上がっていたので、いつかは入手する予定だったので、まぁ、いいや。

このリールほど毀誉褒貶を浴びせられまくった左ハンドルベイトはないだろう。時代を切り開こうとするモノは往々にしてそんな目に遭ってしまう。凡庸な一般大衆に受け入れられることなく、あえなく撃沈の憂き目にあった時代の敗北者、そんな感じだと思っている。ダイワ精工のリールだから意外に長い間ラインナップされていたといっても過言ではないだろう。だが、5001Cやバンタム201SG以外に左ハンドルベイトの歴史に残るリールを挙げろと言われれば、迷うことなくネオ・グリッピングコンセプトだ。あとはレグノLR4000(T-1)かな?極論だが、あとのリールは左ハンドルベイトというだけでしかない。

ちょっと長くなるのだが、「ネオ・グリッピングコンセプトに出会うまで」と題した駄文に、できればおつきあい願いたい。

ダイワの「ネオ・グリッピングコンセプト」って確か1995年頃ではなかっただろうか?細かい年までは記憶にはない。ただ、あまりの異形さにあきれかえってしまったのが最初の印象だった。当時からいっぱしの「左ハンドルベイト使い」を自認していた管理人にとって、「パーミングしたまま握り替えることなく巻き取りできる」コンセプトなんていうのは別にどうってことはなかった。左手でハンドルを持った状態で右手をずらせばいいのだから。「トップで着水・即バイトを取るのが左ハンドルベイト使いの真骨頂やぞ、ふざけんな」と。で、黙殺したまま、バスではイクシオーネに手を出したりスコ1501を使い、永遠のライギャーリールは5001Cやぞ、と思いながら時間は過ぎていった。
それが2002年の西表島遠征時にフローターでマングローブを攻略していた時のことだった。あれだけ自信のあった「トップで着水・即バイト」が取れなかったのである。右手が滑ったのだろうか?トリガーが引っかかったのか?とにかくワンテンポどころか完全にアワセるタイミングを逸してしまった。そのショックには当分立ち直ることすらできずにメチャクチャ悩んでしまっていたのだから。とにかく、いっぱしの「左ハンドルベイト使い」を自認していた人間がその持ち味とでも言うべきスタイルで完全に失敗しているのである。スランプ状態といって良かっただろう。なので、リールの握り方から色々試してみたりした。失敗して竿ごと落としそうになったこともあった。その中で、よく考えてみたら「これってダイワのネオ・グリッピングコンセプトやんか」と思いついたのが一つの答え、「トリガーなしベイトグリップにしてしまえ!」というのがもう一つの答えだった。

そう、「10年の時を経て出会ったあの娘は、果たして永遠の彼女となり得るのだろうか?」

我ながらアホくさくなったが、 ネオ・グリッピングレフトを入手しようと思ったのは以上のような理由だ。それにしても相変わらずのマグネシウムフレームである。でも、プレッソ・ベイト同様にソルトで使いまくってやろうと思っている。イクシオーネの代わりに遠征メッキで使ってみるとかね。超浅溝スプールの105だし。

リールとしては、やはり 「ネオ・グリッピングコンセプト」、これに尽きるだろう。普通のトリガーシートの竿やトリガーなしの「3号メッキ殺」、果ては「バンタムグラファイト」にまで取り付けて握り方を変えたりして何十回と素振りしてみたが、特筆して パーミングしやすいリールだとは感じなかった。あと、ハンドルが普通のリールと違い後ろ側にあるのだが、この方が巻きやすいのかな?管理人にすれば「後ろだろうが前だろうが関係ない!」と一刀両断にしてしまうのだが、右ハンドル使いが左ハンドルベイトに移行する場合って凄い違和感があるみたいだから、こういったスタイルは正解なのかも知れないね。

いつものようにSweet emotionで紹介してそれで終わりにするにはもったいない存在だ。なので、「ネオ・グリッピングコンセプト」についてもっと突っ込んだ検討を加えていこうと思っている。絶滅したのは、そのコンセプトが間違っていたのか?コンセプトは正しくとも形状に問題があったのか?それとも、単純に使いこなせなかっただけなのか?

残念?なのはBasserがファイナルダムンを訪れることはほとんどない、ライギャーにも全く関係のないリールなのだ。だから、何を言っても誰も意識しないぞ、こんなの!(2006/7/25更新)

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