初めは、高速トゥイッチ用に作ったプロトタイプロッド・3号メッキ殺。

ザラマンダー

名称はSalamander、ザラマンダーと読む。ドイツ・ルフトバッフェの国民戦闘機He162 Salamanderが元ネタ。だから英読みのサラマンダーじゃなくて独読みのザラマンダーだ。西洋の火蜥蜴の意味だが、トカゲだと格好悪いのでドラゴンと解釈してみると「火龍」になる。「火龍」とは帝国陸軍の設計段階で敗戦を迎えたジェット戦闘機のことだ。管理人が拘り続ける大日本帝国軍用機シリーズがまた一つ成立した。(もうネタ切れ間近ですが)赤いブランクと狂気のような高速トゥイッチには炎の名前が相応しいと思っている。

赤いグラスブランク、こんなのは今現在どこにも売っていないはずのポリエステルグラスだ。昔はこういう素材を結構竿に使っていたが、最近のグラスってエポキシグラスだ。管理人がずっと持っていた秘蔵の竿、ダイワのPSジェットスピン66Lを改造した。これは管理人が小学生時代に使っていた竿だ。

特記事項、まずはグリップ。

グリップ

見ての通りトリガーなしベイトグリップだ。さらに超ショートスタイルで全長は20cm。最近のベイトロッドはセミダブル以上あるのが普通でセパレートが流行りだが、見かけはどうでもよく、トゥイッチングのじゃまになるので投げるときに最低限必要な長さだけを確保した。初めリアのコルクはなかったが、あまりにも短すぎるのでコルクリングを2個追加する。最近の人は両手でしか投げたことがないかもしれないが、昔は片手投げが主流だったので先祖返りした感じだ。ルアーも軽いので片手でも無理はない。
トリガーなしなのは左ハンドルベイトと大いに関係がある。右投げ左巻きと右投げ右巻きでは投げてから糸を巻くまでの動作が違う。右巻きだと右手で投げてからリールを左手に持ち替えて右手で巻くが、左巻きではグリップを握っている右手を握り直してパーミングしてから左手で巻く。この握り直し動作がポイントで、この時トリガーがあるとじゃまなのだ。あと、トリガーがあると手の位置が決められてしまい、自由な位置で握りにくくなる。近距離ならパーミングに近い位置で握ったり、遠投するなら浅く握ってスナップを利かすような自由自在なグリップワークが、トリガーを廃止することによりより自在に行える。長年にわたる左ハンドルベイト使いとしての、一つの結論である。「トリガーいらんぞ」と。

あと、ガイド配列。

ガイド配列

レイアウトはスパイラルガイド、但し90度だ。手首を90度ひねった時にティップ部のガイドが真下を向くようにした。これは投げるときにガイドが真下を向くようにしたのではない。トゥイッチングではなく、右手中指でドラグノブをはじくようにして糸を巻くワンハンドシェイキングに関連する。(詳しくはこちらに)この時も手首は投げるときと同様90度ひねった状態になる。これでシェイクをくり返すと、通常のガイド位置だと糸フケが竿の上に乗っかって真横に向いたガイドに絡むのだ。90度スパイラルにすることでガイドが真下に向き、ライントラブルが通常のLSGでも激減する。
ちなみにガイドはチタンフレームを使用。グラスブランクの調子を最大限発揮するなら、現状では軽量、フレキシブルなチタンが最適だろう。スパイラルなので糸がブランクに当たることもなく、ガイド数はニューガイドコンセプトから1個減らした。

使った感じだが、グリップとガイドに関しては管理人の計算通り。リアグリップをコルクリング2個分のばしたのが唯一の誤算か。
グラスロッドとマイクロルアーなので、キャスティングは乗せるような感じで投げるのが一番だよね。片手投げだし。
トゥイッチングでの操作性は、このようなベロンベロンの竿ではなく、もう少し反発力のあるシャキッと竿で行うのが一般的だと思うし、みんなもそう言う。でもそれは、技でカバーする。あとは水をつかんでくれるディープダイブ系ミノーの採用だ。何よりも魚を弾かないことがグラスを使った理由です。
魚を掛けた感じは、25cmクラスのメッキならバットから思いっきり曲がってくれるので釣っていて楽しい竿である。やはりそれが一番だ。ただ、手返しという点では劣るだろう。
実は、もう1本ブランクを用意してある。それも3号とは全く正反対の特性を持つピンピンの高弾性カーボンブランク、G-LoomisのS8422IMXだ。これが2号メッキ殺の予定だったが、先に3号を作成してしまった。2006年シーズンはこの2本を比較して見極めたい。

それにしても超高速トゥイッチは疲れる。これで魚が釣れれば何も言うことはないのだが、メッキって当たりはずれの大きい魚なので、釣れない時は疲労感だけが残る。そんな感じなので多少の重い軽いは一緒の様に思える。

presso

この画像だと、赤い無塗装ポリエステルグラスがはっきりと分かると思う。こんなレアな竿ですら、管理人の手にかかれば激変してしまう。古くさいブランクに現在のロッドビルドテクノロジー、それに最新鋭リールというアンバランスな組み合わせだ。実はフェルールにガタがあり、あまり状態としては良くないのがちょっとねぇ。プレッソはもうキズが入っています。恐らくそこから腐食するでしょうね。(2006/1/9更新)

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