覚醒、名機・イクシオーネ。

Ixorne F300LF

Ixorne M300LF

F300LF_1 F300LF_2 M300LF
イクシオーネF300LF・1号機
イクシオーネF300LF・2号機
イクシオーネM300LF

ダイワやシマノに比べるとワンランク落ちるイメージのあるリョービ。特に、昔からの釣り人はそういうイメージで捉えていたのではなかろうか。選択理由が「安かったから」との言葉はよく耳にした。「リョービなんか使わん」とも。チヌ釣りリールをマグブレーキ化した子供騙しリールや、左右両用ベイトリールのレグノLR4000などというキワモノじみた存在が頭に思い浮ぶ。だが、遠心ブレーキの初代キャスプロは今でも熱烈なファンがいることも確か。何をどうすれば初代キャスプロからLR4000に発展・進化するのかよくわからない。

で、イクシオーネ。この前のシリーズIX-4SP(青イクシ)は何かが覚醒したのかまともなベイトリールという印象。管理人が保有していた数少ない右ハンドルベイトだ。青以外にも白イクシや緑イクシ(ZEAL)、赤いKenイクシなんてのもあった。しかし、右ハンドルの青イクシでは管理人の主力にはなり得なかった。そして時代は流れ、ついにリョービが満を持して発表したのがこのシリーズだ。
リョービ初のまともな左ハンドル、それも外部調整遠心ブレーキとあってはこれを買わずして何を買うのか?当時ダイワの変態グリッピングレフト(ごめん、今めっちゃほしい)や、シマノSVSのめんどくささに辟易していた管理人は、あるお務めの終了後にF300LFを速攻で購入。しかし、「何やこのブレーキ、意味わからへん」との悲鳴と共に放置プレイと化してしまった・・・。
そしてさらに時は流れて、管理人の中で何かが覚醒したメッキ釣りに意味もなくF300LFを持って行った。するとどうだろう、すこぶる絶好調なのである。それもマイクロルアーで。それ以降、コンクエスト51を買うまではメッキのメインリールとして大活躍、沖縄遠征時もライトタックル用のメインリールとして現在欠かせない存在になっている。

初めは意味不明に感じたフライングアームブレーキも、使い慣れるとSVSにはない無段階調整の威力を感じた。メタルジグを投げるとよく分かるのだが、バックラッシュするかしないかのギリギリの調整が本当に可能だ。現在は4つあるブレーキブロックのうち1個を外して使っている。
また、管理人のズボラなテクニック、ワンハンドシェイキングを確立させたのもこのリール。左手でハンドルを回すのではなく、パーミングした右手の中指でドラグノブもしくはハンドルを回していく。シェイク中は右手のみで糸フケを巻き取り、ルアーを回収するときだけ左手で巻くのだ。ハンドルを軽く回せて、かつ低い位置にあるイクシで行うと非常にやりやすい。
さらに、ロングビルスクランブルクラッチと称するクラッチは、ハンドルを回さなくても親指操作だけで簡単にクラッチが戻せるのが他のメーカーにはない特徴。これをワンハンドシェイキングと組み合わせれば、糸を出す、止める、巻くの動作が右手だけで自由自在にできるのだ。これをやりだすと、スピニングリールでベールを開いて糸を出し、わざわざベールを戻してから巻くといった動作がめんどくさくて仕方がなく思えてしまう。

だが、こんなイクシにも欠点がある。大勢のイクシ使いが経験したと思うが、投げた時にクラッチがつながってしまうのだ。「ギャーッ」という悲鳴と共に、最悪はピニオンギヤが死んでしまう。ヤフオクでよく見かけた、クラッチ戻らない状態である。ハンドルが軽すぎるから返りやすいとの意見もあるが、親指でクラッチを戻してしまっているのではないかと思っている。それを避けるために、2代目キャスプロ(メタル・ライト)にはクラッチ戻しのスイッチが別についている。それさえ注意すれば飛距離とかではなく、もっと深い、操る楽しみを感じさせてくれるリールだ。

M300LFは2005年の夏頃に中古を購入。F300の感覚で投げてみると、「何やこのブレーキ、意味わからへん・・・」。まだまだ修行の至らなさも感じさせる奥の深いリールでもある。

21世紀になりリョービという会社は釣具部門を上州屋に営業譲渡してしまった。イクシオーネとバリウスを残したまま思い出の彼方へと。一時期ながらとはいえリョービの関連企業に勤めていた管理人は、そのことについて哀悼の意を表してリョービ編を終わりにしたい。

安く仕入れられへんやんか(ウソです)

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