今回も重複項目はあまり紹介しないことにする。ビルドに興味のある人やビルドしてみようかな?と思っている人は別ウィンドウで「2ピース・カムルチィ」「秋水」PDFを開きながら御覧頂けると光栄です。

まずはトップガイドをリールシート位置に合わせて取り付けるのだが、 完全1ピースの竿だと結構困ってしまう。トップガイドとリールシートが遠いので、どうしても取り付け誤差が発生してしまうのだ。それも今回はフライロッドなのでリールシートがバットエンド近くにあるし、7ft3inchと長さも結構あるので、前回の「秋水」よりも難易度は高くなる。こういった場合だと、こんな方法がいいのかな?

トップガイド
ティップを削ってしまっている・・・

トップガイドのパイプ径をわざと小さくしている。で、ティップを削るのだ。普通にトップガイドのパイプを選択すると、もちろんティップ径より大きくなると思う。その場合だと、トップ位置の調整中や接着剤が硬化する間に勝手に回ったりすることがあるのだ。ティップを削ってパイプ径ギリギリに合わすことにより、そういったトラブルを避けることができる。5分硬化の接着剤を使うので、5分あれば調整も完了するだろう。あとは「正しく見極める目」も必要かも知れない。どれだけズレているかはガイドを全部組めばハッキリする。心配なのはティップを削ったことによる折損の可能性なのだが、曲げモーメントは先端からの距離に比例する、ということにしておこう。ただ、せん断力はティップ側が一番大きくなるけどね。恐らく、大丈夫でしょう!

次はガイドの足を削る。「2ピース・カムルチィ」では棒ヤスリで削ったのだが、今回は両頭グラインダーを使う。

G-3
リョービさんのDIY用両頭グラインダー

どういった使い方をするかというと、

削り
使い方がちょっとおかしいかな?

側面のカバーを外すのと、下側にある台にガイドを当てて削るのではなく、上の台にガイドを当てる。矢印のように砥石の回転方向が上から下に回っているので、下の台を使うと砥石がガイド足に喰い込んでしまいやすいのだ。それを避ける意味で上のガイドに当てて削っている。カバーを外すのでちょっと危険かも知れないが・・・。で、削った状態はこんなのだ。

ガイド足
滑らかにね!

とにかく滑らかに削ってやるのがポイントだ。あと、グラインダーで削ったままだとバリが出ていることがあるので、棒ヤスリで仕上げするのがいいと思う。ちなみにフジ以外のガイド、PacBayやAmtakだと出荷段階ですでに削ってくれているので、その点では便利だ。さすがはガイドのトップメーカー富士工業、そんなことしなくても売れるもんなぁ・・・

ガイドの位置がわからなければスレッド巻きができないので、次はガイドの位置決めだ。普通のフライロッドの場合だとそういった資料をアップしてくれているメーカーもある。初代フライライギャー「Folgore」はSAGEの8ft6inch・14番のガイドスペックを参考にしていた。だが、この世に7ft3inchのヘビーソルトフライロッドなど存在するわけないから、完全にオリジナルレイアウトになってしまう。ガイド数はトップ合わせて9コで、管理人手持ちの竿だと「秋水」とアルガマスターが該当する。でも、両方ともちょっと違う気がするぞ。まぁいいや、両方を参考に適当にベンディングテストしよう。

テープ貼っておこう
テストの前に忘れずに!

「秋水」で忘れていたのだが、ベンディングテストする前には、ガイドの足裏にテープを貼っておこう。テープなしでベンディングテストするとダブルラップの意味合いが理解できていいかも?要はブランクにキズが付いてしまうってことね。で、テスト画像は省略して、レイアウト図だけ・・・

ガイドスペック図
こんなんでいいんかなぁ・・・?

「秋水」みたいにコンポジットじゃないので、今回はテスト1発で合格だ。やっぱ野性の勘やね!ちなみに、図中バットガイド付近にカッコつきの数値があるのだが、実はベイト仕様でのガイド位置なのだ。一応そこまで想定しておいた。これも予防線っていうヤツ。

さあ、ガイド位置が決まったらダブルスレッドのアンダーラップだ。やり方は「2ピース・カムルチィ」で紹介したから省略する。今回のスレッドカラー、アンダーラップは黒のAスレッドで、ガイド巻きをコバルトブルーのDスレッドで巻く。

スレッド
小さいボビンがコバルトブルーのDスレ、大きいのが黒のAスレ
今回もプリザーバーいらずのNCPスレッドだ

ハッキリ言うが、スレッドの色の選択はビルダーのセンスだ。こればかりはどうしようもない。なので、管理人のセンスの悪さは「秋水」で証明済みだね。ライギョ竿でピンクやもんなぁ、やっぱ変態やぞ。とりあえず訳がわからなくなったら、ブランクと同系統の色にしておけば無難だと思うが。

今回、アンダーラップはちょっとヒネっている。

マーキング
ちょっとテープ多くないか?

1つのガイドに対してテープを5箇所巻いている。通常のアンダーラップだと、両端と真ん中のピンストライプ用の3箇所で済む。が、今回、真ん中は巻かないので5箇所ある。アンダーラップの目的はガイド足に対するブランクのクッション・保護だと思う。ならば、「真ん中は機能には影響しない飾りスペースではないのか、それなら省いてしまえ」という結論を勝手に導き出し、命名「間抜けアンダーラップ」を施そう。軽量化というのはほとんど冗談、見た目はシングルに見えるけど実はダブルラップやってるんやでぇ、というのが狙いだったりする。

ま、サクサクとアンダーラップが済めば次はネーム入れだ。今回もマイクロドライ&プラモデカール作戦で行く。(詳細は秋水見てね)

ネーム
これだとデカールと普通紙の区別がつくだろう
フォントは「Folgore」と同じLucida Calligraphy Itaricね

どんな雰囲気なのかは見ての通りだ。今回はメタリックブルーのインクリボンを使用した。やはり、インクジェットでは不可能だろう。Falco SnakeheadSlayerの下の文字が見にくいのだが、「Cover buchinuki fly raigar system」と打ち込んでおいた。「カバーブチ抜き フライライギャーシステム」、やはり管理人は気が狂っているのだろう。それよりも、作業中、久しぶりにWindowsのブルーバック画面を見てしまった・・・

ブルーバック
さすがWin98SE、本当に久しぶりだ・・・

デカールをブランクに貼り付けてから1日放置する。それからカラープリザーバーで止めて、これまた1日放置プレイだ。放置プレイが終わったらいよいよアンダーラップのコーティングに移るのだが、いつものU-40を使い切ってしまったので今回は別のコーティング剤を用意した。

スレッドマスター
これっていいんかなぁ・・・

スレッドマスターというヤツを試してみよう。良いのか悪いのかはもちろん知らない。通常であれば当然のこと、本番前に実験してから使うのだけど、こんなの適当だ。いきなり使ってみよう!でも、ちょっとだけ・・・

シリンジ
U-40付属のシリンジだったりする

フレックスコートみたいに計量カップ測定でもちゃんと硬化してくれるのもあれば、U-40みたいにちょっと微妙なのもある。なので、シリンジで計量してから混ぜることにした。混合比率は1:1だ。今回は本当に5ccずつ測定して混合した。コーティングって作業性や泡消えの良さ、硬さ等好みが色々あると思う。で、スレッドマスターを使ってみての感想なのだが、フレックスコートより泡消えはいい。硬化剤の粘度もフレックスコートより低いので冬でもちょっとはマシかな?混ぜてから塗れなくなるまでの作業時間はちょっと短い気がする。フレックスコートよりもU-40に似ていると感じた。今は回している途中なので硬さはわからない。これは次回で報告しよう。まぁ、混合比率を間違えて柔らかい状態のままでも、1年も放置プレイすれば勝手に硬くなるからね。

で、1日このまま放置すればアンダーラップ編は完了だ。

硬化中
実はフィニッシングモーターは新しいのにした
これは海外調達だが、国内でもシンクロナスモーターで検索すれば安いのが見つかるよ

前回、前々回と紹介できなかった小技をメインにアップしてみたのだが、いかがでしょうか?

次回、ラッピング編その2はガイドラップ&フィニッシュだ!ほならね〜♪(2006/10/21更新)

もどる