前回のスピンストーム作戦は、太PEをスピニングリールで運用した際に発生する放出抵抗削減を目的としてバットガイドの選定を実施した。今回はその続きでスピニングリール自体の選定を行う。

実のところ管理人のアタマの中ではスピニングリールの進化、ってのが一昔前で停止しており、最新鋭のスピニングリールについては全然知らない。シマノだと4000番あたりでダイワだと3000番が適当、といった認識をしていたのだけど、最近は両メーカーのWebサイトを見るとラインキャパを表す番手と重さが管理人のアタマと一致しなくなっている、そんな気がする。なので、最新鋭リールの投入は避けて手持ち在庫と笑える選択を基準に考えてみた。それらのラインナップを紹介するけど、最初の方は正常で、下になるほど笑える、というか変態っぽくなってくる・・・

ダイワ

トーナメントX 3500iA

トーナメントX

PENN

SPINFISHER 4500SS

4500SS

ダイワ

BLACK GOLD BG15

BG15

シマノ

SYNCOPATE 4000FG

SYNCOPATE4000FG

ABU

501

501
PENNが2番手なのだから、よっぽど変態的選択なんだろうね・・・

以前から登場しているトーナメントXはコメントする必要はないだろう。このサイズだと管理人の手持ちでは一番いいリールになる。で、2番手のPENNのスピンフィッシャー、これは3桁モデルの金属ボディじゃなくって4桁モデルの樹脂ボディだ。1990年代のリールで、昔はこの手がソルト系のスタンダードだったらしい。もちろんナイロンライン時代のリールだからPEラインとの相性は良くなさそうだけど、未だにこれをシーバスやシイラなんかで使ってる熱心なファンもいるらしくって、アメリカンドリーム、ってところだろうか?

3番手からいよいよ変態っぽくなってくるのだけど、ダイワのBG15なんて誰も知らないと思うがこれは海外仕様のソルト系スピニングリール。1980年代から販売されており、未だにUSダイワのラインナップに存在する奇跡のロングセラーでもある。ちょっと前に30周年記念モデル、なんてのも限定で販売されていたらしい。PT33SHをも上回るロングセラーなのだけど、リール自体はブラックボディにゴールドアルマイトのスプールでスピンフィッシャーをイメージする外観、「パクリは最大のリスペクト!」を地でいってた古き良き時代のダイワ製リールの象徴なのかな?でも、「ダイワのBGはPENNのパクリ!!」なんて大騒ぎするスピンフィッシャー使いは存在しない。そのあたり、ミリVとは大違いだね。

4番手はガイド選定編でも使ったUSシマノの廉価版スピニングリールでSYNCOPATE(シンカペイトって読むん?)。国内仕様じゃなくって海外仕様を選択したのは、

トリガー付スピニングリールなのだ!

トリガー
ラインローラー側の見慣れない突起・・・

スピニングリールにトリガー?といっても最近の若い子は知らないだろう。大昔はこんなのが各メーカーから販売されていたのだけど、いつの間にやら消え去ってしまい、海外でもシマノとQuantumが廉価版で細々とラインナップ、そしてこのサイズはシマノだけになってしまった。このトリガー、ベールを起こすのに使うのだけど・・・

ハンドル逆転 ローター逆転 ベール起こす
わかる?

スピニングリールはベールを起こすのに人差し指で糸を引っかけつつ反対の手でベールを起こし、かつ、ベールの位置にも気を配らないと投げた時にベールが返ったりフェザリングしにくかったりと慣れない管理人は使ってるとアタマにくるのだけど、この様に、トリガー付スピニングだとそこまで気を配らなくてもいいので頻繁なショートキャストを繰り返す場合なんかには便利だと思う。ただ、ハンドルを逆転させる、という動作が必要な事からもわかるが、今のリールみたいなワンウェイクラッチによる瞬間ストッパーは装備されていない。そして瞬間ストッパーじゃない4500SSやBG15よりもハンドルの遊びは大きくて、今のリールに慣れた人には扱いにくくて仕方がないのかな?管理人はもちろんラチェットストッパー世代のオッさんだし、そもそも今回のラインナップで瞬間ストッパーなのはトーナメントXだけだから気にしないぞ。

そして最後の5番手だけど、変態の極み、とでも言うのだろうか、ABUのアンダースピンの登場だ。クローズドフェーススピニングやらいろんな呼び方があるこの手のリール、

アンダースピンでアンダー打ちするんだよっ♪

音符は冗談だけど、これも操作性重視の選択なのだ。トリガー付スピニングよりももっと簡単で、前面のボタンを人差し指でワンプッシュすれば準備完了、いつでもどこでもキャスティングOKなのである。管理人のアタマにはベイトリールのサムバーに対抗できる操作性はこれしか浮かんでこない。

501
ダイワ、シマノ、PENNはあるのにABUがないのはちょっと寂しいからね・・・

ただ、サイズ的に小さいリールだからPE5号を巻くのは正直言って厳しい。そしてアンダースピンなんかでカムルチィ???なんて疑念も浮かんでくるだろう。でも、この件、サカナのサイズにうるさいライギョマンなら記憶にインプットされていると思うけど、

日本記録のカムルチィを挙げたリールって何だっけ?

管理人は本当なのかどうかは知らない。スピンキャストって噂レベルのお話し?

あと、本来ならABU501じゃなくってワンサイズ大きいABU507にしたかったのだけど、507ってなかなか入手できないリールなのでとりあえずこっちにした。やはりアンダースピンよりも左ハンドルベイトに目がいってしまうヒトだから。まぁ、次の機会、ってことだね。

ラインナップの紹介が終わって次は飛距離実験編、前回同様だからどうでもいい?

バットガイドは前回の結果を踏まえてPacBayじゃなくってアルコナイトのKWガイドで、そして飛距離はいつもの通りで色分けPEラインの出具合と管理人の感覚での評価だ。それぞれのリールに下巻きプラスメガセンサー5号を40m巻いているけど、ABU501だけは下巻きなしでも30mが限界だった。やっぱこの手の用途で使うリールではないのだろう。そしてこのラインナップだと飛距離的には常識的と言えるトーナメントXがベストで放出抵抗の権化みたいなABU501が最低なのは誰でも予測がつきそうだね。なお、今回の実験を行ったのは2011年の5月7日、前回よりも風は弱いのでちょっとは正常な評価になったのかなぁ?

トーナメントX

トーナメントX 3500iA

参考飛距離・・・23m+

スプール径×オシュレーションストローク

54×19

4500SS

SPINFISHER 4500SS

参考飛距離・・・21m

スプール径×オシュレーションストローク

53.7×12.5

BG15

BLACK GOLD BG15

参考飛距離・・・20m

スプール径×オシュレーションストローク

52×10

シンカペイト

SYNCOPATE 4000FG

参考飛距離・・・22m

スプール径×オシュレーションストローク

50×17

501

ABU 501

参考飛距離・・・15m

ABU501は見ての通りだからオシュレーションとか表示しないよ

例によって考察・・・

そしてそれぞれにリールに対する一言なんてのを・・・

さて、今回の評価だけど、飛距離だけじゃなくってトータルで判断すればSYNCOPATEが最有力な選択肢だね。操作性を考慮した上でわざわざ仕入れたのだし。でも、廉価版ゆえのボディ剛性の無さとそこからくる耐久性が疑問視される。CI4やザイオンといった最新の炭素繊維強化樹脂じゃなくって昔からの樹脂ボディだから、この項目での評価はABU501を除外したスピニングリールとしては最低レベルだろう。それを思うと同じ樹脂ボディでも4500SSはボディやローターの撓みも少ないし、スペックよりも耐久性重視と巷では評価されるPENNのリールだからちょっと悩んでしまう。結局、どれもこれもいまいち決め手に欠けていて、まだまだ結論が出せなかったりする。スプール径やオシュレーション、重量だけで判断するとステラSW6000かNEWソルティガ4000だけどそれって非現実の世界だから・・・

そしたら3桁スピンフィッシャー450SSかBG20にトリガー付けてしまおうか?それともソルティガブラストの徹底軽量化??(2011/5/7実験&5/8更新)

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