悪魔転生・ソルティガZ編

試し投げでの結果がイマイチ納得できずに検討を重ねていた。スプールの軽量化って削るか、穴をあけるか、それとも新規に軽量スプールを作成するのか?いずれにしても大事になりそうである。とても管理人の手に負えるシロモノではない。なので、工場長に相談してみよう。

「工場長、ちょっとこのスプール軽くして♪」

「なんや、これ?」

「なんやって、これソルティガZのスプールやん」

「こんなもん何すんねん?」

「これか!これはな、軽くして投げれるようにして、カムルチィ釣るんや」

「ソルティガやったらタイワンなんか釣らんと、ヒラマサでもジギングで釣ってワシに食わせろや」

「何言うてんねん、ソルティガベイト・キャスティング改でカムルチィ釣るのんは世界初の試みなんやで」

「まぁ、そんなアホみたいなこと考えるのはお前しかおらんわ」

「ウチにはなぁ、その世界初の試みをファイナルダムンにアップするっちゅう崇高な使命があるんや」

「意味わからんって・・・」

「もしかして、あんた、できへんのと違うやろなぁ?!」

「だいたいこんなもん、どないして固定して削るんや?こんな軸掴めるかいな!」

「そら、あんたの仕事やん、旋盤歴50年の神技の持ち主やろ?」

「スプールはよう作らん、軸を圧入してるやんけ」

「ほなら?」

「旋盤も無理や、固定するとこ無い、フライス盤とサーキュラテーブルで均等に穴あけるんやったらなんとかなぁ・・・」

「ほな、頼んだで、成功したらステラ買ったるわ!」

相談というより、半ば脅迫めいた商談が成立、ソルティガZスプール軽量化作戦が始まったのであった。それにしても、職人さんを相手する場合はその自尊心に火をつけると話がまとまりやすいだろう。でも、やりすぎるとヘソを曲げてしまうのでほどほどに・・・

で、加工後はこんな感じになった

穴あきスプール
寸分違わずに加工されたその姿は、さすがは職人の仕事である
スプール内側に面取りを施していないが、職人なので指示したこと以外はしない
決して気が利かないわけではなく、指示しない管理人が悪い、機械職人ってそんなものだ

素晴らしい仕事ではないか!これなら期待できそうである。とりあえず指示していなかった面取りは施しておこう。PEラインに傷が付くからね。

次は遠心ブレーキ部の作成なのだが、初代改造スプールはアルミの削り出しだったのだが、大げさだったので重量増を甘んじなければならなかった。なので今回は改善を加えている。

タイプR仕様
あのTYPE-R仕様厚肉ローターの内径を拡げて使うのだ
TYPE-R+仕様薄肉ローターはシャフトの保持強度に難がありそうだったのでパス!

これだけでも若干ながら軽量化に貢献するだろう。このローター外周に穴を4カ所あけてシャフトを固定してしまう。

ローターとシャフト1
職人にも手違いはある、手前の穴がおかしいのはそのためだ
ローターに差し込む側のシャフトはペンチか何かでかしめて抜けにくくしておこう

これを接着するのだが、厚肉とはいえちょっと心配だったので色々と考えてみた。

ローターとシャフト2
遠心ブレーキっぽくなってきた

シャフト付け根の水色の部品は、カルカッタ51XTのブレーキブロックだ。今回は接着面積が小さいので面積をわずかでも確保する意味でブレーキブロックごと接着してあげよう。また、ローターの上のシャフトは接着剤が硬化するまでの支えだ。十字に配置しておいてこれにブレーキシャフトをテープで貼り付けて仮止めと位置決め、そして接着した。

さて、スプールの穴だが、このままで使うと水分が内部に侵入してしまうだろう。そこで穴を塞ぐのだが、今回はこんなのを使ってみた。

フィルム
見にくいかもしれないが薄手のフィルムだ

一般の方には馴染みがないだろうが、写真製版で使う厚さ0.1mmのポリエステルフィルムを切ってこれをスプール外側に貼り付ける。軽量化と強度との兼ね合いを考えるとなかなかの選択だと思っている。

とりあえず、今日はここまで。いよいよ悪魔転生の時が近づきつつある。そして、工場長のステラも・・・

次回、悪魔転生・完了編を待て!(2006/5/17更新)

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