実のところ、この娘は左ハンドルベイトと呼べる代物ではなかったりするが・・・

109M LH
見た目は紛う事なき左ハンドルベイトだけどね

アメリカンリールの代表格、PENNのベイトキャスティングリールといえばシャンパンゴールドのカラーリングが印象的なレベルマチックや、その発展型のインターナショナルベイトキャストが存在する。だが、いずれも残念なことに右ハンドルのみのラインナップ、そしてPENNのリールで真っ先に思い浮かべる巨大なソルト系両軸リールを使うようなサカナ釣りをしない管理人にとってのPENNリールはお手頃価格のスピンフィッシャーしか縁がない存在だった。だけど、1930年代に創業されたというPENNの歴史上には少ないながらも左ハンドルの両軸リールが存在するのも事実で、今回のかわいいあの娘はそんなPENNの左ハンドルで最小サイズらしい、109M LHなのだ。

レバー式だけどON-OFFの切り替えや小型のダブルハンドルにスタードラグ、そしてレベルワインドが搭載されており、大きさもお馴染みABUの6000番と大差がないから見た目は間違いなく古いベイトリールだよね。

109M LHと6600Cのツーショット
ABU6000番とほぼ同じ大きさだね

でも、レバーをOFFにしてもハンドルとスプールは切り離されず、「ドラグ付きダイレクトリール」とでも呼べばいいのか、そのキャラクターは正直言ってよくわからんリールなのであった。そして入手後に色々と調べてみた結果、ダブルハンドルの109M LHではなくってゴリ巻きシングルハンドル搭載の9M LHという型番のリールならフリースプールらしいことが判明したので、将来的には9M LHも仕入れることになるのかも知れないね。

調査不足ということもあり、紛らわしい見た目に騙されてついつい仕入れたこの娘だけど、実は左ハンドルベイトの進化を鑑みるに重要視している要素があって、それは・・・

左ハンドルでドラグが左ネジ!

以前にQuantumのQD1420Lを紹介した時にもコメントしているが、今のベイトリールってハンドル回転方向とドラグ締め付け方向が一致しているけど、初期の左ハンドルベイトにはそうじゃない右ネジドラグも存在していた。今回の109M LHが発売されたのがいつ頃なのかは正直知らんが(右ハンドルの原形モデル109は1950年代後半らしい)、今のリールと同じく左ネジドラグなのは意味のあることだと勝手に思っている。まぁ、初期は右ネジドラグだったけど設計変更で、という可能性があるかも知れないね。PENNって4桁スピンフィッシャーSSシリーズで歯車をハイポイドギヤからフェースギヤに変更しても型番はそのままだった実例もあることだし。歯車の種類変更なんて結構なオオゴトだと思うのは管理人だけ?

余談はさておき、各メーカーの初期型左ハンドルベイトにおけるドラグのネジ方向はというと、

こんな感じでメーカーによってバラバラだけど、今の視点で言えばシマノとQuantumが正しい、ってことになるよね。ただ、そのシマノもオシアジガーリミテッドでハンドル回転方向とは逆方向のドラグを意図的に採用しているのも事実ではあるのだが・・・

そんなこんなで今の管理人にとっては結局のところ飾り物にしかならないちょっと残念なこの娘だけど、せっかく、ではなくってファイナルダムンでは初紹介のPENNの両軸リールだからいつもより画像を多い目にアップして終わることにするよ。かつては世界の海を制覇したアメリカンなPENNも今やピュアフィッシングの手駒としてメイドインチャイナ化しているのが現状で、軍事的には米国帝国主義者と中華覇権主義者との終末は予測がつかない今日この頃だけど、サカナ釣りの世界では明らかだよね。

LHシール
左ハンドルを誇示するLHシール

メイドインUSA
中華帝国に堕ちる前のPENNだからメイドインUSA

予備爪が格納?
ON-OFF切り替えレバー、ではなくって予備の爪が入っているらしい・・・

レベルワインドのテンション左右微調整?
レベルワインド関連でもう一つ、左右微調整なのか?

ネジ止めフレーム
フレームはフットだけじゃなくって横棒もネジ止めで、これはPENNの伝統らしい

横から見たけど
横から見てもABU6000番と変わらない大きさ・・・

上から見ても・・・
上から見ても、ってしつこい?

ラインキャパ
気になる?ラインキャパはPE10号80メートルでこんなの

重さ
重さ330グラムはこれもABU6000番と変わらず・・・

ということで、次はファゾムかスコール、それともセネターかしらん?UnstoppableなSweetEmotionをお楽しみに!(2015年5月2日更新)

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