2006年石垣島遠征・9/18到着編

凶悪な台風13号も日本海に抜けた9/18に大阪・関西空港を飛び立った。台風の影響で波が高いことが考えられるが、9/23まで滞在するので、しばらくすれば落ち着くだろうと特に気にしない。自然が相手だから逆らったって仕方がないし、行けるだけでも上等だ。

石垣空港には15時頃到着した。そこから離島桟橋へバスに乗って向かう。離島桟橋というのは、西表島や波照間島などの島々行きの高速船が発着する埠頭で、宿泊施設や土産物屋が多く立ち並ぶ八重山諸島の表玄関みたいなところだ。もちろん釣具屋さんも存在する。ソルトがメインなら情報収集もできるだろう。

観光地図
離島桟橋は地図上では一番下だ

空港から離島桟橋までは、全日空ホテルかホテル日航経由で15分くらいか?奄美空港から名瀬市内に向かうのに1時間ほどかかったことを思えば便利な事このうえない。帰りの飛行機の時間を逆算するのにも好都合だし、余裕も生まれてくるのだ。ちなみに料金は終点のバスターミナルまで200円均一、高いっちゃあ高いのだが、離島だからという理由でガマンしましょうね。

車窓から眺める風景はいつもの雰囲気ではない。おかしいぞ。根こそぎブッ倒れた街路樹、変な方向に曲がって破壊された信号、ガラスの割れたクルマ等々、台風により破壊された痕跡が生々しい。聞いた話によると、最大瞬間風速なんと70m/s、時速換算だと252km/h!お前は新幹線か、と言いたくなる。あまりにも悲惨だったので画像はアップしない、というか撮影する気にもなれなかったことを付け加えておく。

今回、宿舎に入る前にスクーターを借りた。クルマじゃなくて原チャリなのは、コストの問題と機動性だ。原チャリなら軽トラでも入れないところにさえ侵入することができるし、ゆっくり走った方がポイントの見落としが少なくなるのも重要だね。バスターミナルを出てすぐの日産レンタカーに原チャリが置いていたのでそれを借りる。5日間で8000円ほどと、いつもの離島遠征よりはるかに安いぞ。借りた原チャリはホンダの今は無き2ストDioだ。水平エンジンのライブDioってヤツ。石垣島のような広い島だとTodayみたいな4ストスクーターの方が燃費面で有利かな?でも、世界を席巻したホンダの2ストロークエンジンだし、在りし日のNSR500にちょっとだけ思いを馳せながら乗ることにする。一時期、DioのテレビCMソングにブルーハーツの「台風」って曲が流れていたことがある。「台風が来る、ものすごいヤツ・・・」ってそのままやんけ!

宿舎は離島桟橋すぐのチサンリゾート石垣ってとこに泊まった。リゾートという名前でクソ高いホテルだなんて思わないでほしい。地元の八重山商工高校が高校野球で活躍した記念とかで一泊6300円で泊まれた。それでも高い?夕食を500円くらいで食わせてくれるんやぞ。まぁ、管理人だって島によっては安い民宿に泊まることもある。それも釣り好きのオヤジが経営するのなら最高だ。釣り船に便乗させてもらったこともあったからね。それがダイビングにしか興味のないオッさんのところなら最悪だった。ハッキリ言って邪魔者扱い。釣り人ってあんまりお金落とさんからなぁ、と割り引いて考えもガマンならんのだが、わざわざ離島に行ってケンカしてもっと不愉快な思いをしたくないから。そんなにダイバー以外がイヤったら無人島で経営しろ!客の扱い知らんのか!と言いたかった。若い兄ちゃんは客やから色々気ィ使ってくれたんだけど。何処の島とは言わんが・・・

余談はこのくらいにして釣りの話に。

管理人の離島遠征のスケジュールは、到着した日と次の日はポイントチェックだ。それ以降釣りまくって最後の日を観光に当てている。一応、土産も買わんといかんし。まず、地図が必要だ。レンタル屋で島の観光地図を準備してくれている。上の画像がその地図なのだが、タダでくれるからもらっておこう。あと、石垣島みたいな大きい島だとそういった地図では足りないことが往々にしてあるので、エアリアマップみたいな詳細地図も準備した方がいいだろう。だが、最近は小さい島がメインだったのですっかり忘れていた。なので今回は本屋さんで現地調達だ。なんと国土地理院発行の5万分の一地形図が売っていたので文句なしに購入した。安いし正確だ。ただ、慣れていないと解読しづらいかも知れない。あと、平成9年修正の地図なのでちょっと古かった。

国土地理院
当たり前だけど観光地図よりはるかに詳細
2万5千分の1だと4枚必要だ

石垣島は離島にしては珍しく水源に恵まれており、ダムが5基も存在する。島の中央部に4基と北部に1基ある。中共の台湾侵攻作戦では滑走路の長い宮古島と水の豊富な石垣島を足掛かりにして台湾本島東側を攻略する、なんてのも日本の軍事評論家が発表していたくらいだから。その人が石垣島に行ってシミュレートしたのかは知らない。図上演習だけのような気もする。軍事評論家の変わりに実地検分をするわけではないのだが、管理人もダムを足掛かりとしてその近辺を重点的に探ることにした。ダムだとアクセスも楽だから。ただ、今回は北部のダムは捨てよう。なぜ?それは野性の勘がそう言っているから・・・

まず1基目のダムへとDioを飛ばす。ポイントチェックだけなので竿は持って行かない。スロットルは全開で気持ちだけはブッ飛ばす。だが上り坂になるとスピードは劇的に低下する。本来ならトルクのある黄ナンバーの2種原チャリで、むやみにスロットルを開けないで走った方が燃費もいいはずだ。離島にしては交通量も多いので左側に寄っておこう。特に、「わ」ナンバーのレンタカーには注意したい。信じられないほどマナーの悪い奴らもいる。そのくせ信じられないほど緩いカーブで減速したりするのだ。黄ナンバーなら思いっきり遊んであげるのにね。

ダムサイトに到着する。進入禁止&釣り禁止の看板が掛けられている。水源だから当たり前の話なのだろう。まず、この時点でタイワンドジョウは消しだ。続いて流れ込みと流れ出しをチェック。あまり芳しくなさそうだ。次に行こう。

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う〜ん、次だ!

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そうやって4基のダムを回ったが、近辺で釣りができそうな雰囲気の場所を見つけた。覗いてみる。ティラピアらしき魚が浮いている。奴らは簡単に見分けがつく。亜熱帯なので何処にでも生息できるのだろう。夕暮れ間近、しばらくすると黒色の魚が浮いてきた。ティラピアとは違うような・・・

「コイツもしかして、コウタイ?」

だとすれば超ラッキーだ。しばらく観察してみよう。ライギョだと空気呼吸もするだろうし。

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なかなか空気呼吸しないのである。でも、真っ黒のティラピアなんて思い浮かばないし、他に該当するのも思い浮かばない。そうこうしている間に風が吹いてきて見にくくなってしまい、結局魚種の判断ができなかった。まあいいや、明日釣ってみたらわかるだろう。楽しみはそれまでお預けだ!さぁ、宿舎に帰ろう。

期待を込めて帰路につく管理人のDioの横を「わ」がブッ飛ばして通過していく。

「その先、木ィ倒れて片側通行や、死んでも知らんでぇ〜」

「キキィー、ドーン!」

「アホやなぁ、コイツら」

なんて事になったら面白いのになぁ、と思いながら低速で駆け抜けるのであった・・・

今日のディナーは、シェフの気まぐれ「カジキマグロのステーキ」を600円で食わせてくれた。メシが少なそうなのでもちろん大盛りを注文するが、「これって大盛りか?普通盛りやん」くらいの量だった。食事後は向かいのコンビニ兼土産物屋に夜食を買いにいこう。あと、珊瑚のネックレスを要求する強者がいるのでついでに先に買っておく。忘れるからね。こういったとき離島桟橋周辺は便利だ。珊瑚の専門店も存在する。

「すんまへん、珊瑚のネックレスなんですけど、どれがよろしいんでっか?」 (ベッタベタの大阪弁丸出し、恥さらしだ)

「プレゼントでしたら、こういった赤いのがオススメなんですけど」

「赤いのでっか、そうそう、赤いのん買ってきてって言われてましてん」

「よく知ってらっしゃるみたいですねぇ、白・ピンク・赤の順番ですから」

「何で赤いんでっか、海辺の珊瑚って白ですやん?」 (ダイバーじゃないので知らない)

「赤いのは深海で取れるんですよ、だから価値があるんです」 (へぇ〜、知らんかった)

「ウチ、ようわかりまへんから見繕ってもらえまっか」 (ブランクなら勿論わかるぞ)

「これなんかどうでしょうか?透明感がありますよ」 (珊瑚が透明なのか?どう見ても赤やぞ)

「わからへん・・・」 (Fuji・SiCとPacBay・SiCなら見分けつくのにね)

「濃い赤の珊瑚は輸入物なんですよ、石垣近海で取れるのはこれみたいにちょっと淡い赤なんです」 (確かにそういわれてみたら赤でも違うなぁ)

「ほんならそれもらえまっか」 (ウチのじゃないので適当でいい、それよりコウタイだ)

「ありがとうございます、少しサービスしておきますね」 (まけてもらった)

「おおきに!あっ、そうそう、これって釣り糸通してるんでっか?ナイロンやと伸びますよねぇ」 (さすがに工作台の東レ・銀鱗6号は見逃さん!)

「伸びたのなら、持ってきていただいたら修正しますよ」

「めっちゃ遠いですやん(笑)」 (伸びたらウチが銀鱗からトヨフロンLハードに交換してあげよう)

・・・・・・

土産も買ったし、後は明日の準備をして、風呂入って寝よう。泡盛は好きだけど飲みすぎには注意しよう。あまりアルコールは強くないので・・・

正体不明の黒い魚は、果たしてコウタイなのか?
9/19コウタイ・アタック編に続く!

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*注・・・淡水に関してはポイントは伏せている。これは、ライギャールールによる非公開原則を適用したのではない。理由は最後に明らかにするのだが、その点だけご了承いただきたい。