管理人が名古屋に転勤するにあたり、住まいについて色々考えた。そんなことは、別に管理人だけじゃなくても考えるに決まっているが。通勤の利便性や周辺環境、スーパーやコンビニが近くにあるとか。で、管理人の場合は、そんなフツーのコトなんかじゃなくて、もちろんライギョ基準で住む場所を選んでいる。なので、海部郡に住むのは必然的だろう。クルマ通勤なので、もちろん高速道路に近いところを選んでいるのも、また事実ではあるのだが・・・

次に考えたことは、ビルド用の部屋の確保だ。この時点では一般的な居住環境なんてのは全く考える余地すらない。 というワケで3DKの部屋を借りて、1部屋を完全にビルドルーム化することにした。大阪時代のビルド環境だと、俗に言う居間でビルドしていたので、どうしても家族の邪魔になるし、お互いが気を遣っていたのも事実だ。なので、コーティングの際には神経やられてしまうかも?というのは冗談だが、そんな思いはしたくないし、趣味専用の部屋を持つことは男の子の夢みたいなモノだと思っていたので、かなりのご機嫌さん、これで創作意欲も更にアップ、と言いたいところだが、どうしても足らないのがある。それが今回の主役、旋盤だ。

市販品じゃなくてオリジナルグリップの作成には欠かせないのが、この旋盤。幸いにも管理人は工場長という強い味方がいたので、工場長の仕事があいたときに使わせてもらっていた。それも金属加工用の巨大な汎用旋盤ってヤツだ。ただ、ロッドビルドのレベルだと、相手がコルクやEVAなので木工旋盤という木を削る旋盤で充分だし、「釣り工房マタギ」のカタログにも掲載されている「グリップ旋盤機」っていうのも「Wood lathe」というラベルが貼り付けてあり、その正体は木工旋盤だ。だが、引っ越しした管理人には工場長の旋盤という味方の存在はなく、自力でどうにかしなければならない。それならば、この際、「ビルドルームに旋盤を仕入れよう!」と思い立ったのであった・・・

一般家庭に汎用旋盤なんか設置できるワケがなく、まぁ、木工旋盤でええんとちゃうのん、といった感じでネットで色々調査する。値段や大きさ、重さ、加工寸法等を色々とピックアップ、いいのが見つかったら、あとはボタンをポチっとクリックしてネットショッピングするだけ、なんか簡単に決めてしまったぞ。そして品物が届くのをを待つだけだ。相変わらず、こういうのを待つのは楽しいモノである。だから衝動買いしたりするのかな?

そしてお届け当日、日通がトラックでやってきた。

トラック 3個口
右は管理人宛の荷物が3個口
木工旋盤ってそんなのか?

やはり、けっこう重いのである。日通の運ちゃんは玄関先までしか持ってきてくれないので、部屋の中には管理人が搬入しなければならない。

箱
とりあえず5001C改を乗せてみたけど・・・
でも、これって中くらいの箱やぞ

さて、ビルドルームにも入ったことだし、あとは開梱してセットアップ、試運転するだけだ。管理人が仕入れた旋盤がどういうのかというと・・・

卓上旋盤
おい!どこが木工旋盤やねん・・・

すっかりだまして申し訳ないが、今まで汎用旋盤をブン回していた人間が木工旋盤でガマンできるわけがなく、これは卓上旋盤、金属加工用の小型の旋盤だ。この旋盤が入っていたのは中くらいの箱だから、3個口の一番大きいのはもっとえげつなかったりする。

卓上フライス盤
こんなんビルドにいるんかい?!

大きい箱の正体は卓上フライス盤だ。卓上旋盤はグリップ加工に使えるが、果たしてこんなシロモノがロッドビルドに必要なのだろうか・・・、衝動買いってヤツはやはり恐ろしい、身を滅ぼすだろうね。ちなみに一番小さい箱はフライス盤の部品だ、よかったね♪

それでは、旋盤選びについて補足しておく。
「今まで汎用旋盤をブン回していた人間が木工旋盤でガマンできるわけがない」というのが重要なのだが、金属加工用の旋盤で木は削れるが、その逆は無理なのである。なので、グリップだけじゃなく、ワインディングチェックやギンバル、リールシートなんてのも可能だ。ギンバルのスリットはフライスで加工すればいいからね。あと、昔懐かしシマノやレスターファインの冷間鍛造グリップもどきや、自作のリールのハンドルもフライス盤で可能だろう、「蛇頭殺ハンドル」とかね。これで市販メタルパーツに頼らないロッドビルドが可能になる。とは言ってもアルマイトだけはちょっと無理だ。ただ、加工寸法、長さがちょっと短い、公称350mmだからライギョ竿だと足らないケースもある。それに関しては、相手が金属じゃないからどうにかできると思うよ。

で、今回導入した機械、いずれも「寿貿易」ってところが取り扱っている台湾製の機械だ。ちなみに旋盤は「FL350E」、フライスは「FM100」という型番で、どちらも手軽な?エントリーレベルの機械だろう。ガキの頃から工場長に仕込まれ、単純なフライス作業なら小学校高学年からやってた管理人だから、もっといい機械がほしいに決まっているのだが、こればかりは仕方がないと思っている。本気の工作機械だとコンクリの基礎から作らないといけないからね。

あと、この「寿貿易」ってところから購入したのは、管理人にしては珍しくネットでのやり方が気になったからなのだ。御覧いただければわかるのだが、自らの会社で輸入している機械の不具合事項を平気で公表して、かつ、それをちゃんと手を加えてやってますよ、なんて感じの会社なので管理人の琴線に触れちゃったのである。他の会社はそんなこと一切アップせずに、ただ精度がどう、とかいっているだけだけど、正直言って台湾製の卓上の機械ごときで(と言っては失礼だが)精度なんぞ求めてもしゃあないやん、そう思っている。モノ自体はどこの機械でも一緒だと思う。本気の工作機械から見れば、それこそオモチャと言っていいだろう。そうなれば、こういった企業スタイル、「うーん、マジメやねぇ」とでも言えばいいのか、そのあたりが気に入ったのだったりする・・・

堅苦しい話しはこれぐらいにして、ついでに、セットアップが完了したビルドルームを公開しちゃおうね♪

広さは6畳ほどなのだが、まずは入り口

関係者以外立ち入り禁止 トラテープ
ご丁寧にも関係者以外立ち入り禁止のシールやトラテープが貼ってあり危険な雰囲気を漂わせている?

続いて中身やね。まずは機械関係


旋盤&フライス盤
モノが卓上なのでパソコンラックに直置きだ
すだれは管理人の趣味、すだれの奥には窓用換気扇を設置している
これでパンドー156Aの臭さもサヨウナラ、って感じだ

ビルド関係はこんなの

フィニッシング
ここでコーティングだ
わざわざ白い内装をフローリングの床に貼り付けた

トラテープはホンマで立ち入り禁止やぞ!

だいたい9フィートクラスの竿なら、そのまま直置きでコーティングできる。それ以上の竿なら12フィートまでは旋盤をずらせばOKだ。ビルドの資材はこんなのだ。

ブランクやら
放置プレイのブランクやらそれ以外の資材やカエルのパーツはここにまとめた

作業するからには作業台も必要だろう

作業台
とりあえず普通のテーブルにした
左の黒いのはゴムの板、リールをイジる際には活躍するであろう
あと、かわいいバイスや蛍光灯もセットしておく

工具関係は棚にまとめておいた

棚
PCのCRTがあるのはサーバルーム兼用だから
電動工具やら工具箱やら、測定器、防火用のバケツまで・・・

ここの自慢は実はコイツだったりする・・・

蛍光灯
ぎゃはははは、やっぱり頭が狂ってるぞ!

オフィスや工場なんかでよく見る蛍光灯だ。さすがに一般家庭でこれを設置することはないだろう。40W2本で合計80W、家庭用の蛍光灯とは値段が桁外れに安いぞ。6000円しなかったからね。ビルドルームだから明るかったらええねん!

ちなみに、これだけワケのわからん機械やなんかを動かしつつ、家電を全開で活用すると電気容量が不足することも想定される。なので、ブレーカーは一般家庭でよくある30Aではなく40Aにしてもらった。ちょっとやそっとでブレーカーが落ちるってコトはないだろう。会社では「お前アホか?」と言われたが、「ウチが正しい!」と言い返したのだった。

最後は居住環境だが、コンビニ、スーパー、レンタル屋、そんなモノは近所には一切存在しないぞ、クルマで行かんとやってられんのだ。名古屋のすぐ近くに住んでるのにね。でもええねん、ライギョがいっぱいおる所に住みたかった、自由にビルドができる環境がほしかった。だから、これでいい・・・

管理人の狂気と変態コンセプトの象徴、ビルドルームも完成したことだし、さあ、竿を作ろう、旋盤をフル活用させよう!変態ライギョ竿復活!
(2007/1/28更新)

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おまけ

これだけ色々とやってしまったらゴミもいっぱい出ちゃうのだ。

ゴミ袋
これ以外にも段ボール箱がいっぱいあるのだが・・・

引っ越しってゴミが大変やね。特に最近はゴミの分別にうるさい自治体って多いから。一応、搬入前にでんでんまるさんのお店で、自治体指定のゴミ袋を買っておいたのは正解だったね。というか、この袋を見れば管理人がどこの自治体に生息しているか一発でわかるだろう、地元の人ならね。まぁ、隠すことなんかは何もない、そのうち「管理人のお姿」とか言ってアップすると思うよ。ファイナルダムンのイメージとはかけ離れた、ヤサ男ぶりに驚嘆することであろう・・・