前回、「橘花・蛇頭殺」はもうヤメた?などとちょっと弱気の虫が頭をもたげてきたのだが、やはり、帝国軍人だから「不撓不屈の精神」で行こうではないか。なので、「欲しがりません」じゃなくて「やめられません、勝つまでは!」と言ってみたりする・・・

とにかく破損したブランクをどうにかしないといけないのだが、これは簡単で、同じシカリのブランクを再度直輸入したぞ。そして今回は、摺り合わせ加工済みのティップセクションは生かして、バットセクションのみを作り直すコトにする。手間かけるのがめんどくさいから。前回で判明した注意点としては、

いずれも前回の失敗事項を加味しての結論だが、当たり前すぎるよね。一応、若干だけど学習能力は保有してるつもりだから・・・

それでは、第2次「ブランク2ピース化大作戦」、いってみよう!(もちろん、重複箇所は詳細説明しないけど)

まず、ブランクの切断から実施するのだが、継続使用するティップセクションの外径を測定しておき、その径と同じ部分でブランクを切断する。ティップ側とバット側の両方とも短縮しているので長さ基準で寸法合わせができないのが理由だね。また、長さ基準じゃなくて外径を基準にすることにより、摺り合わせで重要な内径寸法もできるだけ合わせることができるのでは?との見込みもある。何せ本来は別のブランクだから。

旧ブランク 新ブランク
左が最初のブランクのティップセクションで、右は新品ブランクだ
おおよそ5.44mmの位置にマーキングのテープを貼っておいた
こういう場合はマイクロメーターよりもデジタルノギスの方が使いやすいと思う

切断位置が決まればダイヤモンドヤスリで切ればいい。あと、バットセクションの長さも調整、要するに切断してあげよう。目標は5フィートの2ピースだ。で、ここは省略だね。

バットセクションが決まれば次は、ソリッドを突っ込むための内径の摺り合わせだ。これは手作業でリーマー加工してあげればいい。なので、これも省略するぞ。

次はカーボンソリッドの外径加工。前回はオモチャ旋盤でチャッキングしてサンドペーパーで摺り合わせ加工したのだが、今回は手作業で地道に行く。なぜ?それは材料と道具さえあれば誰でもできることを実証するためなのだ。要するに、「特殊な技量を必要としない=誰でもできる」のだから、このブランク2ピース化を応用すれば、

材料と道具さえあれば、折れたライギョ竿の修理が誰にでもできるぞ!

黄色の太字で表現するくらいだ、これって結構重要だと思うのだが・・・

そんなこんなで話しを戻して、サンドペーパーで地道に削ってあげよう。もちろん少し削っては「はめあい」を確認するのは当たり前だね。ここで一つ補足すると、市販竿の印籠継ぎってソリッドはテーパーになっていると思う。先が細くなってる、ってコトだね。だが、管理人のやり方だとテーパーじゃなくてストレートなのだ。それは市販のリーマーで内径加工しているからで、本当はテーパーにした方が接触面積が増えるから、不意に抜けにくくなりそうだし、摩耗、って観点からもテーパーの方がいいような気がする。でも、任意の直径のテーパーリーマーなんてフツーは売ってないし、ソリッドの加工も難易度が高くなって仕方がない。なので、手間がかからず簡単なストレート加工なのだ。所詮は一般家庭レベルだから仕方ないよね。

ソリッド
400番くらいのペーパーだと勝負が早いのだが、慎重に作業するなら800番辺りかな
テープを巻いているのはバット側で、摺り合わせ加工済みなのだ

ソリッドの摺り合わせ加工がティップ及びバット側とも完了したら、バット側にソリッドを突っ込んで接着してあげればいい。接着剤はフレックスコートのG4を選択、一応、それなりに負担が掛かりそうだから・・・

接着
特記事項なし、前回と同じだね

最低でも1日は放置プレイしてあげて接着剤が硬化したら、次はブランクの補強。いよいよこれからが本番だ。その前に、念のために継いでみて状況を確認しておいた方がいいと思う。もちろんベンディングテストはまだダメだからね。で、リーマーの刃長が40mmくらいだったので、今回は+10mmして50mmを補強する長さ、と決めた。もちろんそれは根拠のある話なんかじゃなくて、いわゆる「野性の勘で適当に!」ってヤツ。こんなん経験ないもんね。

50mm
およそ50mmの部分にテープ巻き

長さが決まれば、前回紹介した、カーボンロービング、要するに炭素繊維のヒモを巻き付けてあげよう。

ロービング巻き
目印よりちょっと残し気味・・・
巻き方はスレッドと一緒、最後は抜き糸で止めてあげた

今回はカーボンロービングを1往復半、3回巻いてあげた。これも根拠はない。ただ、1回だけだとあまり意味がなさそうな気がするし、これを樹脂で固めてから、さらに削るので余分に巻いても損はないだろう。ここで注意点を一つ、

補強で巻いたあとに摺り合わせチェックしてみたら硬くて嵌らなくなったので、追加で摺り合わせする必要があった・・・

カーボンロービングを巻いたので、ブランクが弾性変形して内径が小さくなってしまった、ってコトだろう。なので、最終的な摺り合わせは補強完成後に行うのがいいと思う。順番間違えたね。

で、ここから樹脂で固めてあげよう。使う樹脂はどんなのがいいの?いや、管理人もそんなん知らんぞ?樹脂の専門家じゃないから。とりあえず、在庫を引っ張り出してみた・・・

デブコン
「デブコン」だけど、「サモハン・キンポー」じゃないから・・・
硬化剤が黄変してるけど、混ぜたら透明になるのだ

すごく紛らわしいのだが、これは「デブコンET」って2液性エポキシ樹脂で、本来の使用目的は透明樹脂パーツの作成だろう。少なくともロッドビルド用なんかじゃない。でも、今回はこれを使う。こんなのじゃなくても、いつものフレックスコートでいい?いや、ちょっと弱いような気がする、デブコンの方が、同じエポキシでもスレッドのコーティングよりは硬いと思う・・・

使い方はコーティング剤と変わらない。エポキシだから。ただ、混合比率は主剤2に対して硬化剤1だから、調子に乗ると硬化不良を起こすので気をつけよう。また、このデブコン、ロッドビルドのような少量混合での使用は想定してないだろうから、量が少ないと硬化時間が長くなることも付け加えておく。管理人はこの真夏でも2日間放置プレイしたからね。

デブコン塗った
ピンぼけやなぁ・・・
もちろん、フィニッシングモーターで回しっぱなしだぞ

デブコンが固まったら、ガタガタなのを修正、削ってあげる。管理人はオモチャ旋盤を使ったけど、ペーパーでもいいと思う。いや、旋盤だと調子に乗りすぎることも考えられるから。

削り後
未加工部分がちょっと残ってるけど、スレッドを巻くから気にしなくていい

これで、ようやくベンディングテストすることができる状態になったので、とりあえず・・・

・・・・・・

「おっ、ええやん、ええやん」

「摺り合わせは前のんより微妙にゆるいかなぁ・・・、まぁ、振ってガタつきがなかったから、いいにしとこう」

「さて、曲げてみたろ・・・、うりゃっ!」

曲げ試験
うーん、これって削る前やんか・・・

「そうやねぇ・・・、変な音もせえへんから、うーん・・・、合格っ!」

・・・・・・

うん、「ブランク2ピース化大作戦」成功だね!みんなも、これをベースに折れたライギョ竿を復活させてみよう?!

作戦が上手くいってちょっとご機嫌さんな管理人、それじゃぁ、次回は橘花編・最終回?「速攻ビルドで完成だ!」をお楽しみに!(2007/8/25更新)

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