紆余曲折しながらもバランサーとグリップが完成したので、いよいよガイドの取り付けに移る。

今回はトリプルラップというスレッド巻きを採用する。
シングル、ダブル、トリプルって言うのは、ガイドを巻く際の巻き数のことだが、ダブルだとガイドを取り付ける前に下巻き1回、ガイド巻き1回になる。最近では市販ライギョ竿にも採用されている手法だ。トリプルラップは下巻き1回とガイド巻き2回巻く方法で、市販竿だとヘビーソルトロッドくらいではなかろうか。3回巻くので手間はかかるがガイド固定強度に優れている。今回の2ピースロッドにトリプルを採用するのはコストの関係だ。通常であればAスレッドで下巻きしてから、太いDスレッドでダブルラップを施すのだが、お金かけれないのでAスレッドのトリプルにして固定強度を稼ごう。別にAスレッドのダブルでも思いっきりテンションをかけて巻けば大丈夫だと思うが、ここはオーバークオリティーでもいいんじゃないかなと思う。手間をかけるだけなので。

まず下巻き、アンダーラップを施そう。

アンダーラップをする・しないに関わらず、ガイド位置を決定しなければ話にならない。実作業としては、まず、ブランクの背骨・スパインを割り出す必要がある。その辺はFujiJustaceのPDFを見てね。今回のブランクに関して言うと、スパインが見つけにくかった。あと、2ピースなのでバットセクションとティップセクションの両方探すのが正しいが、バット側は曲がらないのでバット側のスパインは無視した。ティップ側のスパインは正方向だ。(FujiのPDFを参照のこと)

スパインを出したあとは、トップガイドを2液性のエポキシ接着剤で固定する。ここは5分硬化型の方が作業しやすいはずだ。もちろんスパイン位置に固定しなければ意味がない。これ以降のガイドはトップを基準に真っ直ぐに取り付けることになる。

次はいよいよガイド位置の割り出しだ。Fujiのニューガイドコンセプトに基づくのなら、その通りにすればよく、何も考えなくていい。だだ、あのチャートもあくまで平均でしかなく、竿の硬さやテーパーデザイン、グリップ長によって微調整が必要だ。もし市販ライギョ竿があるのなら、ガイド位置を参考に、先に述べた条件を考慮して微調整するのが正解だと思う。もちろん管理人は市販ライギョ竿を全く保有しておらず、今までの経験によって蓄積したデータに基づき決定した。まあ、ガイドの数自体が違うので、全く参考にならないが・・・

過去データ
過去の遺産、データシートの山

具体的には、硬い竿はガイド間隔を広く、軟らかい竿は間隔を詰める。詰め足らなければガイドを増やすことになる。テーパーデザイン的にはベンディングカーブ頂点付近をやや詰め気味にしたらいいのではないかなと思う。いずれにしてもティップ部をあまり詰めても意味がなさそうに思っている。それでもティップ部は他より詰めているが・・・
今のところ、トップガイドからリールシート後方までの長さを基準にして各ガイドを割り当てるセッティングにしている。レベルワインダーからの長さを基準にするのがもちろんベストだが、リールによって変わるのでそうしている。あと、2ピースなのでフェルール位置にも注意したい。もちろんフェルール位置をまたいでガイドを取り付けるなどは不可能だ。

ガイドシート
今回のガイド位置、あまり先端部を詰めていない(ハズ?)
この数値はガイドの足ではなく、リングの位置だ

シート位置
基準長さ179.5cmある

まず、ガイド位置に合わせてマスキングテープを貼り付けて目印にする。

ガイド位置

テープの位置にガイドリングがくるようにガイドを仮止めする。

仮止め
トリプルラップなのでトップガイドとずれていても全然OKだ
ガイド位置のテープは引き続き使用するので外さない

スレッドを巻く範囲をあらかじめ決めておき、目印のテープを巻く。

MNSGチャート ノギス
MNSGガイド用に作ったスレッドチャートに従いテープを巻く
寸法測定はアナログノギスだ

テープを貼り終えたらガイドは外していよいよスレッドを巻く。まず、左手に指サックをはめる。

指サック
滑らないのでこれはいいよ
Winampでお気に入りの曲を聴きながら気長に作業しよう
今回はストラングラーズのGoldenBrown、今年も金色釣るぞ!

スレッドの巻き方はPDFを見てね♪(って手抜きかいな、お前は)テンションはそんなにきつくする必要はない。ガイドじゃないから。ただ、フェルール部だけはきつく巻いた方がいい。2ピースのフェルールを補強する意味があるから。

とりあえず、ガイド位置用のテープはこういう使い方をするので、今まで貼っておいた。

ピンストライプ
テープはピンストライプ位置の目印だった
ガイドを本固定するときは、今度はピンストライプが目印になる

全てのアンダーラップがすんだらコーティングする。スレッド位置用のマスキングテープは1mm程度ずらして巻いておく。本当にマスキングするためだ。前にスレッド巻きしたアルマイトもどきもここでコーティングする。

フィニッシングモーターに竿を取り付ける。

フィニッシングモーター
液がたれても大丈夫なように新聞紙を敷こう

コーティングを混ぜる。混合比率を間違えると悲惨な事になるので気をつけてね。硬化剤の方が気持ち少ない目の方がいい結果が得られるようだが基本は1:1、説明書をよく読もう。

混ぜる混ぜる
混ぜると泡が立つのでしばらく待つ
U-40はフレックスコートより泡が消えやすいので便利

泡が消えなくてもコートしてから消すのであまり気にしなくてもいいかも

で、コーティングする。作業に集中したいから撮影しないのでご了承下さい。泡はライターで炙れば消える。ススがつくという話もあるが、100円ライターでOKだと思う。本格的な泡消しアイテムは次回で紹介します。

バットエンド部
溝は難しい、はみ出したのはアルコールで拭こう
ここはもちろんライターでは炙れない

リールシート部
ナットとフードの間に液が浸透すると悲惨なことになる

アンダーラップ部
これはアンダーラップ

しばらくしてコート液の粘度が上がって落ち着いてきたらテープをはがす。完全硬化してしまう前にはがそう。コートの塗りムラは必ずあるが、アンダーラップなので気にしない。仕上げは2回塗り、これが基本だからね。あとは丸1日モーターを回し続ける。気温が低いときは、やはり2日とか見た方がいい。混ぜたコーティング液は捨てずに残しておくといいだろう。硬化度合いのサンプルにするためだ。

次はガイド編・フィニッシュだ。いよいよ完成間近!(2006/3/13更新)

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